バシリカ様式とは?
古代~中世頃のヨーロッパで見られる
建築様式(建て方のスタイル)です。
教会 などの 人が集まる建物で
よく用いられた建て方です。
数々の建築様式の基礎とも言える建築スタイルで、後の時代に登場する…
ロマネスク様式 や
ゴシック様式 も
このバシリカ様式を基本にして
生み出されたものです。
建物の構造
特徴
バシリカ様式は別名「長堂式」とも呼ばれ
建物が縦に長い 構造をしています。
詳しい特徴
建物の中で皆の注目が集まる
アプス(祭壇がある半円部分)がある。
その手前には、大勢を収容する
縦長の身廊(皆が並ぶ所。広間)がある。
身廊と柱で区切られた
側廊(側面の廊下)がある。
…そして、
午前中の日光でアプスが照らされるよう
アプスが東側 に位置するように建てられています。
また、多くの場合は
袖廊(突き出た部分)があります。
代表的な建物
【サン・パウロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂】
場所:イタリア(ローマ)
【サン・ロレンツォ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂】
場所:イタリア(ローマ)
【サン・ジョバンニ・イン・ラテラノ大聖堂】
場所:イタリア(ローマ)
【サンタ・マリア・マジョーレ大聖堂】
場所:イタリア(ローマ)
バシリカ と バシリカ様式 の違い
…ちなみに、上記4ヶ所に
「バチカン市国 の サン・ピエトロ大聖堂」を加え
ローマの 五大バシリカ と呼ばれるのですが
実は…
サン・ピエトロ大聖堂は
正確には…バシリカ様式ではありません。
理由は西側にアプスが位置する構造をしている為
バシリカ様式の特徴を満たさないとされているからです。
じゃあ、なんで「5大バシリカ」って呼ばれてるの?
…という話なのですが
実は「バシリカ」という言葉の意味は
もともと、特権を持つ教会堂の事を指す言葉で
建築様式を指す言葉ではありませんでした。
なので、サン・ピエトロ大聖堂は
ローマ法皇がおられる大聖堂…
もちろん特権を持つ教会堂に該当します。
なので…
バシリカ様式 ではない バシリカ 。…という事になります。
集中式 と バシリカ様式
バシリカ様式は人が集まる建物でよく用いられた。
…と説明しましたが
人が集まる建物の建築には、他にも 集中式 と呼ばれる建築スタイルもありました。
集中式とは
集まった人々の注目が部屋の中央に向くような構造の建物です。
話している人が部屋の中央に立ち、それを皆が囲んでいるイメージです。
中世くらいまでは
バシリカ様式と共によく見られましたが
徐々にヨーロッパではロマネスク様式など
バシリカ様式から発展した様式が主流になりました。
まとめ
- バシリカ様式は、古代~中世頃の建築様式。
- 教会などで用いられた、基本的な建て方。
- 後の時代に ロマネスク様式 や ゴシック様式 へ発展。
- 構造には「アプス」「身廊」「側廊」「袖廊」があり、アプスは東側。
- 建物は東向きに建てられている。
- 「バシリカ」と「バシリカ様式」で意味が異なる。
- かつては 集中式 と バシリカ様式 混在していたが、ヨーロッパではバシリカ様式とその発展形が主流になった。
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