バシリカ様式|3分でわかる、かんたん解説!

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バシリカ様式とは?

古代~中世頃のヨーロッパで見られる
建築様式(建て方のスタイル)です。

教会 などの 人が集まる建物
よく用いられた建て方です。

数々の建築様式の基礎とも言える建築スタイルで、後の時代に登場する…

ロマネスク様式
ゴシック様式

このバシリカ様式を基本にして
生み出されたものです。

建物の構造

特徴

バシリカ様式は別名「長堂式」とも呼ばれ
建物が縦に長い 構造をしています。

※イメージ

詳しい特徴

建物の中で皆の注目が集まる
アプス(祭壇がある半円部分)がある。

その手前には、大勢を収容する
縦長の身廊(皆が並ぶ所。広間)がある。

身廊と柱で区切られた
側廊(側面の廊下)がある。

…そして、
午前中の日光でアプスが照らされるよう
アプスが東側 に位置するように建てられています。

また、多くの場合は
袖廊(突き出た部分)があります。

※イメージ

代表的な建物

【サン・パウロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂】
場所:イタリア(ローマ)

【サン・ロレンツォ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂】
場所:イタリア(ローマ)

【サン・ジョバンニ・イン・ラテラノ大聖堂】
場所:イタリア(ローマ)

【サンタ・マリア・マジョーレ大聖堂】
場所:イタリア(ローマ)


バシリカ と バシリカ様式 の違い

…ちなみに、上記4ヶ所に
「バチカン市国 の サン・ピエトロ大聖堂」を加え
ローマの 五大バシリカ と呼ばれるのですが

実は…
サン・ピエトロ大聖堂
正確には…バシリカ様式ではありません

理由は西側にアプスが位置する構造をしている為
バシリカ様式の特徴を満たさないとされているからです。

サン・ピエトロ大聖堂。 アプスが西側にある

じゃあ、なんで「5大バシリカ」って呼ばれてるの?


…という話なのですが


実は「バシリカ」という言葉の意味
もともと、特権を持つ教会堂の事を指す言葉で

建築様式を指す言葉ではありませんでした


なので、サン・ピエトロ大聖堂は
ローマ法皇がおられる大聖堂…
もちろん特権を持つ教会堂に該当します。

なので…


バシリカ様式 ではない バシリカ 。…という事になります。

集中式 と バシリカ様式

バシリカ様式は人が集まる建物でよく用いられた。
…と説明しましたが

人が集まる建物の建築には、他にも 集中式 と呼ばれる建築スタイルもありました。

集中式とは
集まった人々の注目が部屋の中央に向くような構造の建物です。

話している人が部屋の中央に立ち、それを皆が囲んでいるイメージです。

中世くらいまでは
バシリカ様式と共によく見られましたが

徐々にヨーロッパではロマネスク様式など
バシリカ様式から発展した様式が主流になりました。

まとめ

  • バシリカ様式は、古代~中世頃の建築様式
  • 教会などで用いられた、基本的な建て方。
  • 後の時代に ロマネスク様式ゴシック様式発展
  • 構造には「アプス」「身廊」「側廊」「袖廊」があり、アプスは東側。
  • 建物は東向きに建てられている。
  • バシリカ」と「バシリカ様式」で意味が異なる。
  • かつては 集中式 と バシリカ様式 混在していたが、ヨーロッパではバシリカ様式とその発展形が主流になった。

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